#M006 「素材を育てる」ファッションの醍醐味河毛 俊作(以下、河毛):今の時代、僕らはコットン、ウール、麻、シルクを当たり前に選んで着ていますが、日本は長いこと麻と絹の国でしたよね。西 ゆり子(以下、西):着物の時代が長かったですからね。綿はインドやアメリカ、ウールは英国、なんとなく国によって素材のイメージがありますね。河毛:日本では江戸時代に国策でようやく庶民が綿を着るようになったそうで、それ以前の麻の普段着では、冬は相当寒かったでしょうね。綿のおかげでずいぶん便利で快適になった裏返しで、シルクは当時に比べたらすたれてしまった。西:着物の時代ほど毎日着ないですから。でもじつは私、素材の中でシルクがいちばん好き、というか自分の身体にベストかなと思ってます。肌はアミノ酸だから、...2022.11.28 03:00(2022)男の服と、いい時間
#S014 素材の特徴を活かして、おしゃれの幅を広げよう こんにちは、西ゆり子です。今月は「素材」選びの重要性についてお話をしています。前回のスタイリング通信では、「素材」には、大きく分けて、天然繊維と化学繊維、そして、その中間にあたる再生繊維があるというお話をしました。 では、それぞれの「素材」でできた服は、どんなシーンにふさわしいのでしょうか。まず、ベーシックなシーンで着る服は、天然繊維のものを選ぶことをおすすめします。何年も着られる定番のニット、コンサバなジャケットやコートなどは、どんな色でも自分に自然と馴染んでくれる天然繊維のものを着たほうが、見た目にもエレガントでシックな印象を与えます。特に、ある程度の年齢になったら、ベーシックなアイテムほど、ウールやカシミヤ、シルクといった天...2022.11.21 03:00(2022)スタイリング通信
#F006 肌が選ぶ素材こそ最高 私の母は洋裁、和裁、編み物が得意な人で子供の頃から姉妹揃ってよくお揃いのお洋服を作ってもらいました。一緒に生地屋さんに行くこともあり、小さい頃から自然と生地(素材)に意識が向いていたような気がします。春、秋はコットン、夏はリネン、冬はウール。「素材と季節は切っても切れないもの」と無意識に刷り込まれたと思います。最近は季節感なくいつどんな素材を着ていてもおかしいと言われることがなくなりましたが、やはり季節に合った素材や色合いの装いをしている人は、街中でも目が惹きつけられます。夏なら涼を感じ、冬なら暖を感じ、目で季節の移ろいを楽しむことができるのは、素敵なことですね。 母が若い頃は、秋になればウールのタータンチェックのスカートにトッ...2022.11.14 03:00(2022)ファッションオタク部
#S013 素材を知らずに、おしゃれは語れません こんにちは、西ゆり子です。朝晩、めっきり冷え込んで、薄手のコートが必要な日も増えました。「そろそろ冬物を出さなくちゃ」と、クローゼットの衣替えをしている方も多いでしょう。私も、柔らかなカシミヤや暖かなウールのトップスに袖を通すと、「ああ、今年も、冬が近づいてきた」と、肌で感じます。 そう、その服がいったいどんな素材で作られているのか――、実はこれはとても大切な問題です。これまでお話をしてきた「色」「バランス」、そして「素材」の3つが、おしゃれをするときの重要な柱なんですね。「今日のコーディネート、なんだかヘン」と感じるときは、「色」「バランス」「素材」のどれかに必ず問題がある。この“おしゃれの3本柱”の中で、「素材」に関してはあま...2022.11.07 03:00(2022)スタイリング通信