#F006 肌が選ぶ素材こそ最高


 私の母は洋裁、和裁、編み物が得意な人で子供の頃から姉妹揃ってよくお揃いのお洋服を作ってもらいました。一緒に生地屋さんに行くこともあり、小さい頃から自然と生地(素材)に意識が向いていたような気がします。春、秋はコットン、夏はリネン、冬はウール。「素材と季節は切っても切れないもの」と無意識に刷り込まれたと思います。
最近は季節感なくいつどんな素材を着ていてもおかしいと言われることがなくなりましたが、やはり季節に合った素材や色合いの装いをしている人は、街中でも目が惹きつけられます。夏なら涼を感じ、冬なら暖を感じ、目で季節の移ろいを楽しむことができるのは、素敵なことですね。

 母が若い頃は、秋になればウールのタータンチェックのスカートにトップスはブラウスにセーターをあわせるかツインニット。アイテムのバリエーションも組み合わせも限られていたと思います。今はありとあらゆるアイテムに対して、素材、サイズ感、デザインが、無数に存在し、ひとつのコーディネートを作るのに無数の選択肢があり、決断の繰り返し。悩んで迷うのは当然です。

 母の影響を受けつつも、若い頃の私はランウェイファッションに夢中。お買い物はデザインが優先、素材はあまり気にしませんでした。日常着にも化学繊維混の服を選ぶことも少なくなかったです。

 しかしその意識が変わったきっかけは、ハイテク素材の肌着が残念ながら私の体質に合わなかったこと。セーターの下に機能性インナーを着て電車に乗ったら、首が詰まる感覚というか、汗がうまく発散できず顔が火照ったり、静電気で肌がカサカサに乾燥してかゆみが治らなくて困ったことも。意識して綿やシルクを選ぶようにしたら、そういうトラブルは起きなくなりました。

 そしてもう一つの理由は自分のお洋服に対する向き合い方が変わったこと。コロナ禍で会食や外出が減っておうち時間が長くなったり、年齢を重ねるにつれ攻めのモードより、ココロと身体が心地良いと感じる長く愛せるワードローブを少しずつ揃えたいと思うようになりました。それには、素材選びは大切な要素だと改めて感じています。

 肌に直接触れるのは、これからの季節なんといってもニットですが、海外ブランドでうっとりするのはニットの帝王ロロ・ピアーナ。とろけるように滑らかで永遠に頬擦りしていたくなるような肌ざわりで、まさにご褒美セーターです。ただ日常的に愛用しているのはジャパンメイドの逸品。特に、このコラムで何度かご紹介しているバトナー(BATONER)とオーラリー(AURALEE)がお気に入りです。バトナーは上質な天然素材と編み技術にこだわっていて、非常に真面目なものづくりをしているメーカーです。素朴さが魅力となり今の時代の空気としっくり合っています。オーラリーは今のオーバープラスオーバーのシルエットを流行らせたきっかけとなったブランドでダスティカラーも美しく、20代30代にもファンが多く、天然素材の良さに触れて愛用する若者が増えるのはとても良い傾向だと思っています。

 いい素材は、瞬間の楽しみだけでなく、育てる楽しみがあります。お洋服も天然素材だと麻も初めはシャリシャリとハリであり固い感触ですが、着込む毎にだんだん柔らかくなり毛羽立ってくる頃にやっと馴染んできた実感がわいてきます。
新品のきれいな服もいいけれど、歳を重ねて自分の体に馴染んだジャケットやパンツを自信を持って着られたら素敵ではないでしょうか。


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❤️今日のコーデ

ジャケットは5年ほど前から着ているメゾン・マルジェラ(MAISONMARGIELA)のもの。今年購入したバトナ―(BATONER)のタートルニットは、ジルサンダー(JilSander)のパンツに合わせました。バッグはガブリエル・ハースト(GabrielaHearst)。バッグと、トッズ(TODS)のシューズのグリーンをリンクさせて。

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着る学校(校長・西ゆり子)

着る学校は、「スタイリング=着る力」を学ぶコミュニティ(登録無料)。『着るを楽しむ!着る力が身につく!』をコンセプトに、様々なレッスンを通じて、おしゃれの知識や情報を知ることができます。現在、6,000人以上の女性が登録。洋服を楽しむのに年齢は関係ありません。人生100年時代、私たちと一緒におしゃれをもっと!もっと!!楽しみましょう。

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