#F020 靴は「わたし」本位主義で!


 靴についてはサイズや足の形から悩みが多いです。足のサイズが22㎝、海外サイズ34ハーフとかなり小さくて、デザインに惹かれてもサイズで諦めることが多く、自分に合うものに出会えたら本当にラッキー!たとえばこの連載コラムに何度も登場しているトッズのプラットフォームローファーは履きやすいだけでなく、ほどよいモード感でパンツ・スカート手持ちのお洋服どれにでも合う、私にとってのシンデレラシューズ。色違いで2足買って交互に履いています。もう一足欲しいくらいですが、すでに商品が切り替わって、木型が違うので買い足しは叶いませんでした。また、甲高なので、甲に金具がついているデザインのものは必ずと言っていいほど痛くなります。修理屋さんに持ち込んで広げてもらいますが、その時も金具をいったん外して、時間をかけて革を伸ばしてから最後に金具を着けなおし、と手間ひまがかかります。ですから、本当にフィットするものが見つかった場合、ストックを買うこともあります。過去にそういうものが何年も見つからない経験をしてきているからです。

 名品と言われる靴も、自分との相性が大事だと思いました。マノロブラニクが日本に入ってきた当時、美しいシルエットに惹かれて購入しましたが、バックストラップタイプは欧米人の足のようにかかとのくびれが無いため引っかかりがなく歩いているうちにパカパカとどうしても脱げてしまうのです。修理屋さんでストラップを縫い縮めてもらったら、今度は食い込んで痛くなったり。JMウエストンのローファーも履いていましたが、我慢と根気が要りました。(笑)。男性は蹴る力があるから、厚くて硬いウエストンのソールも履き込めば次第にやわらかくなり、底がいい感じに沈んで歩きやすくなるそうですが、私の場合5年くらいかかりました。

 そんな時期も経験して、今は少数精鋭です。秋冬に活躍した靴は、最初にお話しした少しプラットフォームありのローファーや、同じくプラットフォームありのザ・ロウのバイカーブーツのほぼ二択でした。パンツは6~7センチヒール用に丈を決めているので、引きずらない、つま先立ちにならない、安定して歩ける靴がいちばんです。ワンパターンにならない工夫として、西さんの影響もあって靴下のバリエーションを増やしました。ニットとお揃いの色を選んだり、コーディネートを考えるのは楽しいです。最近はTabioのリブハイソックスを3色、レンガ色、マスタード色、グリーンを投入。パンツスタイルの多い私には、ハイソックスはタイツよりむしろ快適で、スカートにも合わせられて気に入っています。

 お気に入りのトッズを磨きに出したところ、当然レザーだと思っていたら(着る学校スタッフも……)合成皮革だと言われて驚いたそう。しかし見た目も履き心地も完全に本革で、その技術にもびっくり。

 春夏に向かって靴を探し始めていますが、自分の使い勝手とベストマッチングなものが見つかるのは、まだこれからでしょうか。今気になっているものは9月発売なのでまだ先ですが、sacaiが今年の秋冬物でウエストンとコラボしたシューズが出るようです。靴の老舗とモードブランドのいいところを合体したものが出てくるかも、とちょっと期待しています。



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