カラー診断のプロとカラー診断アンチの二人が 色について語り合いました!後編(Colorist And Fashion)

【今月のゲスト】

田中菜々子さん(カラーリスト)

<前編はこちらから>


西 ゆり子(以下、西):
ご存じのように、私はカラー診断に頼り過ぎるのは違うと感じていて、鏡の中の自分をもっと信じればいいと思ってる。

田中 奈々子(以下、田中):
だからこそ、着る学校の生徒さんが、色をご自身のものにしていく過程には興味があります。


西:
入り口はね、やっぱりソックスの方が多い。別に推奨しているわけではないんですけれど、赤いスカートはちょっと勇気がないけど赤いソックスなら履けますという人も多くて。そこからどんどん自分の好きなところに好きな色を入れられるようになったらいい。上半身だとトイレで鏡を見るたびにびっくりするから、ソックス→スカートやパンツ、という具合に下から順がいいんじゃないですか。そのうちこれは合わない、どうして? と自分の中で疑問が膨らんだ時に、色合わせの基本を勉強していたら、自分であれこれ試すことができる。あとはやっぱり数をこなす、トライ&エラーの積み重ねがいちばんかな。

田中:
「着てみたいけどダメなんじゃないか」という考えではなくて、惹かれた時点で着てよし!ということですね。

西:

色をうまく取り入れている人は、自由な人に見えるよね。大人世代は経験値があるから無難に走るし、他人の目を気にする。若い時は平気で細身の真っ赤なカラージーンズで出かけたら父が「そんな赤いズボンで家に戻ってくるんじゃない!」って(笑)


田中:
ゆり子先生には黒の時代もあったって本当ですか?

西:
2年間くらいね。ハイブランドの服を大体着つくして良さも分かって、あと経験してないのは?と思った時に、当時芸能人やスタイリストが決まって着ているコムデギャルソンだったの。

田中:
着てみてどんなご気分でしたか?

西:
いや、それが私は黒を着ていると働く気が起きない(笑)。哲学者の鷲田清一さんはファッションに詳しくて、コムデギャルソンもお好きで色々分析しておられる。その本を読んで、そうか!と気づいた。ギャルソンの服って、色だけじゃなくて袖長いし捲らない。ウエストもどこにあるかわかんないし、歩けないデザインのスカート、ジャンプもできない。シーンとした服なわけよ。私の中では、「働いちゃいけない服」。やっぱり働く時人間腕まくりするし。でもシャネルもリトルブラックドレスで世に出たことを考えると、黒は高貴な色でもあり、人が近寄らない色でもある。

田中:
友達が、展示会にやる気を表したくて黒でビシッと決めたら「疲れているみたい。大丈夫?」と言われて凹んでいました。お見舞いの場も黒は避けますよね。ファッションは自分のことも輝かせるけど、人にも喜ばれるのも大切です。

西:
そうね、相手へのリスペクトは大切。

田中:
大人が今から色を学ぶって必要?……と思うかもしれませんが、むしろ年を重ねた人の方が自由になれる可能性は高いなって最近思います。そのためにも先生がよくおっしゃるように、感受性の部分で色をたくさん見れば見るほどご自身のパレットが豊かになりますよ。


西:
似合う色を自分で狭めてそれ以外の色が見えなるのははもったいない。最悪、理論を忘れても、好き嫌いで判断していいんじゃない?

田中:
どんなイメージが好きか自問自答する時間は大切ですね。

西:
色には確かに即効性があるけど、みんなどうしても近道したいから「私に似合う色は何ですか?」「この色には何色が合いますか」「何色と何色を合わせればいいですか」の答えを欲しがるけど、本当はその答えはないし、全員に似合う色もない。受け身の気持ちをいったん捨てちゃって、服で自分がどういうメッセージを発信したいか? を大事にしたほうがいいよね。

田中:
服選びでも化粧品選びでも、色のことを知って選択肢を狭めるのではなく、様々な色にトライして最初は照れくさくても自他ともに見慣れていって好きなゾーンが広がる、そうやってご自分のカラーパレットを豊かにして色を楽しむ……それが理想ですね。


色の対比現象

このパネルの女性の横顔はじつはまったく同じ肌色。でも穏やかな色の上に置かれたものはクリアな肌色に見え、鮮やかな色の上に置かれたものは濁って見える。これを色の彩度対比現象という。同じように白いTシャツに小麦色の肌に真っ白な歯がキラキラ映えたり、黒の喪服の女性が色白に儚げに見えたりするのは色の明度対比現象。色の見え方、印象は、工夫次第で変えられることがわかる。

色の対比 【彩度対比】


色の対比 【明度対比】


色の対比 【色相対比】


<<Profile>>

田中菜々子 / Nanako TANAKA(カラーリスト)

カラー講師として、公共団体、企業、専門学校、カルチャースクール等のセミナーで活躍。また、お花やアクセサリー等、もの作りを通して、実際に色を意識して使う教室を主宰している。AFT色彩検定1級カラーコーディネーター、日本カラーコーディネーター協会認定講師、UC級カラーアドバイザー


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 日時: 12月13日(土)13:30~14:30(60分)

 講師:桐原 三惠子(一般クラス講師、Stylist)

    西 ゆり子(着る学校 校長、Stylist)


[キャリアファッションクラス|授業体験会]

 日時: 12月9日(火)19:00~20:00(60分)

 講師: 山下 由(キャリアファッションクラス講師、Stylist)

     西 ゆり子(着る学校 校長、Stylist)

    

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 形 式: オンライン授業(セミナー形式)

 講 師: 山下 由(Stylist)

※12月の1Dayレッスンは休講になります。申し訳ありません。

着る学校(校長・西ゆり子)

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