ダウンの着こなし方がわかりません。


 こんにちは、西ゆり子です。2月は1年の中で最も寒い時期。寒いから、外に出たくない。おしゃれをする気にもなれないと、なんとなく気分も沈みがち。そんなとき、私はカラフルな小物を使って、おしゃれ心を盛り上げるようにしています。真っ赤な手袋やイエローのニット帽、普段はあまり出番のないタータンチェックのマフラーなどを身に着けて、小物でちょっと遊んでみる。いつもより、ちょっぴり“攻め”の色や大胆な柄をまとうと心もワクワク。外に出て、誰かに会おうという意欲も湧いてきます。毎日、本当に寒いながらも、暦の上ではすでに立春を過ぎました。まもなく訪れる春に備えて、おしゃれ心にエンジンをかけておくためには2月が勝負! 暖かい家の中で1日じゅうルーズな格好で過ごさずに、おしゃれ心を底上げしておきましょう。

 では、今月の質問にお答えしましょう。

Q ダウンの着こなし方がわかりません。おしゃれに見せるには、どんなダウンを選べばいいのでしょうか?(あらモードさん)

 最初に申し上げておきたいのは、そもそもダウンはあまりファッショナブルなアイテムではないということです。街中で着るコートとしてではなく、厳寒の屋外で活動するための防寒着として生まれたものですから、「寒いから…」「便利だから…」「安いから…」「みんなが着ているから…」という安易な理由でダウンを着ると決しておしゃれには見えません!つまり、ダウンをおしゃれに着こなすのは実は難しいのです。おしゃれに見せたいなら、普通のコート以上に、着こなし方を意識する必要があるということを、まずは心にとめておきましょう。

 その上で注意してほしいのがダウンの丈とデザインです。数年前に、大人の女性向けに、腰が隠れるくらいの丈で、ウエストをシェイプしたデザインのダウンが流行りましたよね。でも、このタイプは他のアイテムとコーディネートするのがとても難しい。この手のダウンに膝下丈のスカートやワンピースを合わせると、全身のバランスが野暮ったくなり、“昔のおばさん”に見えてしまいます。

 ダウン1着ですべてカバーしようと考えるのは無理があるのです。ダウンをタウンコートとしておしゃれに着たいなら、ウエストあたりまでの「ショート丈」と、膝下まである「フルレングス」の2着を揃えておきましょう。そして、ワンピースやスカート、ワイドパンツにはショート丈。ストレートや細身のパンツにはフルレングスと、インナーとのバランスをきちんと考えてその日に着るダウンを選べば、それだけでかなりおしゃれに見えるというものです。

 とくに、ショート丈のダウンはケープのような感覚で羽織れるので、少しゆるっとしたデザインがおすすめです。色の面積も小さいので、白や赤などインパクトのある色を選ぶと、いっそうおしゃれに見えるでしょう。反対に、色の面積が大きいフルレングスはダークな色を選んだほうが、全身が引き締まってスッキリ見えます。

 デザインは、ウエストラインを強調したり、ウエストにベルトがついたフェミニンなものより、シンプルでストレートなラインのほうがむしろおしゃれに見えます。街中で着るなら、生地もあまりぶ厚いものではなく、ユニクロのウルトラライトダウンを少し厚めにしたくらいの薄手のタイプがいいでしょう。お財布に余裕がある方におすすめのブランドはHerno。スッキリとしたデザインで、ダウンのボリュームも厚すぎず、大人の女性が街で着るにはピッタリです。

 もうひとつ注意してほしいのは、ダウンを脱いだとき。「羽毛の布団を抱えているんですか?」と見えないように(笑)、裏返しにして少し丸めて持つとか、脱いだときの所作も工夫しないとおしゃれには見えません。私の場合、ダウンを着るときは少し大きめのトートバッグを持って行き、そのバッグの中に小さくたたんで入れるようにしています。

 ちなみに、桐原三惠子先生が担当するコラム「やってみたくなる!着こなし講座」の2月更新回でもダウンの着こなし方を写真を掲載しながらお教えしますので、そちらもぜひ参考にしてください。

Q この春、中高年が着るのにおすすめのトレンドのデザインや色があったら教えてください。(春TOさん)

 トレンドの服を着てみたいと思うのはとてもいいことです。「今の風」を取り入れて、自分自身をアップデートしていくことにつながるので、ぜひトライしてみましょう。ただ、トレンドには「若い人向け」と「大人向け」があるわけではありません!「これ、着てみたい」「私に似合うかも」と感じたアイテムがあれば、「中高年だから」という心のバリアーをはずし、思い切ってチャレンジしてみることをおすすめします。

 その際の注意点としては、若い人のコーディネートをまるっとそのまま真似しないこと。今どきの若い世代は「ラフ」で「ルーズ」な着こなしが主流です。その着こなしをそのまま大人がやってしまうと、どうしても「だらしない人」に見えてしまいがち。トレンドのアイテムを取り入れるときは、若い人より「きちんとした装い」を意識して、ちょっぴりカジュアルアップした着こなしを工夫すると、無理なくトレンドのアイテムが着こなせます。

 ちなみに、この春のトレンドカラーはモカムースと呼ばれるミルキーな優しいブラウンと深みのあるホライゾングリーンです。この2色なら、大人世代にもあまりハードルが高くなさそうです。「トライしみたいけど、着たことがない色…」と不安に感じる場合は、まずはボトムスから取り入れてみましょう。上半身に着慣れない色を持ってくると落ち着きませんが、ボトムスならあまり目に入らないので大丈夫。

 デザインに関しては、ここ数年、パフスリーブやショルダースリーブなどのボリューミーな袖のトップスが流行っていましたが、じょじょにタイトなデザインに変わってきています。つまり、これまでより体にフィットするデザインのトップスが目立つので、無理してピチピチのサイズを着るより、ボディラインに着かず離れずのものを選ぶとエレガントに見えるでしょう。

 トレンドにチャレンジするのはいいことですが、「流行遅れになりたくないから…」「みんなが着ているから…」と振り回されてはいけません。もっとも大切なのは、「自分がワクワク・ドキドキするかどうか」です。「このデザインが好き」「着てみたい」と思うものだけを身に着けるようにしてください。主役はあくまで自分自身。トレンドアイテムと言えども、自分の「好きか嫌いか」でチョイスするのが大人のおしゃれというものです。



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