こんにちは、西ゆり子です。まだまだ暑い日が続いていますが、暦の上ではすでに秋。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもの。9月も半ばを過ぎると、ふと「秋の風」を感じる日が増えてきます。そんな季節の変わり目に活躍するのが羽織もの。日中は半袖1枚で過ごしても、朝晩は肌寒く感じるようなこの時期には欠かせないアイテムと言えるでしょう。
「冷えないように着る」「風よけに着る」―― つい機能性ばかりに目がいってしまいがちですが、夏から秋へと季節を先取りした着こなしを意識する上でも、羽織ものは重要なアイテムです。言い換えれば、基本のコーディネートにいくら気を遣っても、その上に羽織るものがイマイチだったら、テンションがあがりません。そんな「季節をつなぐ」羽織ものの選び方について、今月はお伝えしていきましょう。
夏から初秋にかけての羽織ものと言えば、真っ先に思い浮かぶのがカーディガン。でも、いくら気温が同じでも、真夏に着ていたのと同じものを9月に着ているのはおしゃれとは言えません。季節を先取りした装いを演出するには、まずはカーディガンの色に気を付けましょう。もちろん、秋だからと言って必ずしも暗い色を着る必要はありません。ブルーが好きなら、ブルーでOK。ただ、同じブルーでも、春や夏にふさわしいブルーと、秋や冬にふさわしいブルーは違います。着る学校の「基礎コース」では、素材との関連性などで説明していますが、わかりやすく言えば発色の違いです。同じブルーでも、春夏は発色がクリアで爽やかなブルーが似合うのに対して、秋冬は発色がスモーキーで深みのあるブルーが似合うのです。真夏に真っ白なカーディガンを着ていた方は、9月になったらこっくりしたオフホワイトのものに替えてはどうでしょう。たとえ真夏と同じワンピースを着ていても、上に羽織るカーディガンの色を替えただけで一気に秋を先取りした装いになるのです。新しく1枚買うのなら、バーガンディやラベンダーなどの深みのある色のものが秋の空気にはマッチします。また、9月も半ばになったら、素材も秋にふさわしいものに。綿や麻ではなく、薄手のカシミヤなどに替えましょう。
もうひとつ、カーディガンを選ぶときに気をつけてほしいのが「丈」です。腰の途中までカバーするレギュラー丈のカーディガンは、大人が着ると「おばさんっぽく」見えがちです。「おしゃれな人」に見せたいなら、ロング丈か、逆に少し短めのクロップド丈を選んだ方が「いまどき感」があっていいでしょう。
まだまだ暑さが続くこの時期は、ジレにもチャレンジしてみては?袖がないので涼しいけれど、お腹や背中などの冷えやすい部分はきちんとカバーしてくれます。大人世代におすすめなのは、ロング丈で襟付きのタイプ。襟なしでレギュラー丈のものだと、職場の制服を着ているように見える場合もあるので気をつけましょう。また、ジレの下に着るトップスとボトムスを同じ色でつなげると、縦のラインが強調されてスッキリ見えます。「ジレだけでは冷えが不安」という方は、コンパクトにたためる薄いナイロン素材のウィンドブレーカーをバッグの中に入れておけば安心です。
9月も後半になったら、そろそろジャケットやブルゾンの出番です。どちらも、今年も引き続きトレンドはクロップド丈。新しく買うのなら、ぜひクロップド丈のものにチャレンジしてみましょう。ジャケットは、80年代に流行った肩パッド入りのパワーショルダーが復活していますので、トレンドをいちはやく取り入れたい方はトライしてみるのも悪くありません。
また、秋の羽織ものと言えば、私のイチオシは合皮のライダースジャケットです。冷たい風をシャットアウトしてくれるのはもちろんのこと、本革のように重くなく、軽くて身体にしなやかにフィットするので、1日中着ていても疲れません。デザイン的にも、ジャケットやブルゾンより「こなれ感」があり、どんな服の上に羽織ってもおしゃれ度がアップします。フェイクのバックスキンタイプもおすすめです。自宅で気軽に洗濯できるものも多いので、白でもピンクでも自分の好きな色を気軽に選べるのも嬉しいポイント。白い合皮のライダースジャケットを、私も愛用しています。
さらに、近頃は袖や肩にボリュームがあるデザインのトップスも多いので、その上にもう1枚何かを羽織るのが難しい場合もあります。そんなときは大判のショールを活用しましょう。袖がないので、どんなデザインの服の上にも羽織ることができますし、下に着る服がダークな色合いならビビッドな色のショールを合わせるなど、コーディネートのポイントカラーにもなってくれます。素材は薄いカシミヤやパシュミナがおすすめ。ロングカーディガンやブルゾンよりコンパクトにたためるので、バッグに入れて持ち歩くときも便利です。
さあ、本格的に秋が訪れる前に、羽織ものの準備をしましょう。自分の気持ちを秋に向けていくことで、「季節を先取りして楽しもう!」と、おしゃれに対する意欲もいっそう湧いてくるというものです。
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