私のまわりのお洒落な人は、皆バランス感覚が優れています。自分に似合うものを良く知っていて、素材や色、ボリュームなどが絶妙でいつも素敵!決してモデル体型では無く、皆何かしらのコンプレックスを抱えています(もちろん私自身も!)。
それでも今っぽくお洒落な印象になれるんです。つまり、ひとりひとりのバランスは、ちょっとした工夫の積み重ねで手に入るのだと思います。
●「お直し」で服と自分とのバランス調整
「お直し」の力は、案外大きくて、服を自分のものにすることを助けてくれます。私の例だと、小柄で身体に厚みのない少年体型なので、特にインポートの場合、お直しは必須。せっかくコレクションラインのワンピースやパンツを手に入れても、ランウェイのモデルさんのイメージとはかけ離れた悲惨なシルエットが試着室の鏡に映りガッカリ…なんて良くあること。だからといって好きな服を諦めるなんて出来ないので、お直しが重要になります。私がネットでは無くお店で買う理由でもあるのですが、ブティックでなら袖の直し方も袖口の細さや素材、ディテールを考えて、肩側から詰めるなどデザインに配慮してくれます。スタッフの方も服に愛があるので、全体のシルエットが崩れるようなお直しは勧めないので安心してお任せできます。
以前バンドカラーのシャツを買った時、首周りのゆとりが少し多すぎて「服に着られてる感」が気になり、首の後ろ側を少しカットして詰めていただいたことがありました。身頃は少しオーバーサイズでもいいけれど、首、手首は自分のジャストサイズにこだわりたかった。そうすれば服が自分のものになってくれるからです。
●手持ちの服を、日々バランスを変えて着てみる
今、気に入っているのが母からもらった30年前のDAKSのシャツ&スカートのセットアップです。DAKS特有のチェック柄が少し懐かしくて可愛いのですが、オープンカラーの衿あきがやや深めで、私には少し違和感が。そこで、試しに少し後ろに衿を抜いてみたら、デコルテまわりが今っぽいシルエットにもなり、私の体型にも馴染みました。
今、クローゼットにあるものをいかに自分とすり合わせるか? これもバランス調整のひとつだと思います。
バランスは自分軸なので、人と共有するのが難しいもの……身体も人それぞれで、誰かのパンツ丈が絶妙で感心したとしても、素材や脚の形などで微妙に違ってくるから、単純に何センチとか真似しても同じ印象にはなれません。頼るべきは自分の直感、と言えるかもしれません。
●全身鏡と仲良くする
ですから、全身鏡が映る鏡はとても大切! 今は、軽量で簡単に壁に取り付けられる姿見も増えていますよね。可能なら靴も履いて鏡を見れば、パンツのロールアップは1回と2回どちらが脚がきれい? このバッグは今日のお洋服に合ってる? などがチェックできます。ファッションと自分のバランスを直視するのは、最初は面倒に感じますが、慣れるといい意味で欲が出てきます。
その時、ヘアスタイルももちろんバランスの一部。私は、女性らしいスタイルの時にはふんわりヘア、などの思い込みは捨てて、あえてグリースを撫で付け、オールバックでクールにしたり、「はずし」を楽しむなど、小さい挑戦を楽しんでいます。
こういうことを毎日実践する原動力は、私の場合「執着」かもしれません(笑)。いかにこの服をきれいに着こなしたいかという情熱です。シャツやブラウスのボタンをいくつ開けるか衿は抜くか、抜かないか。スカートのウエストを折り返して丈を調整したり、パンツの裾の折り返し幅を変えてみたり。
最近アレンジだけではどうにも調理出来ない襟付きのシャツがあり、「エイッ!」っと思い切ってバンドカラーにお直しをしましたら、今のスタイルにバッチリハマって再び日の目を見ることになり、最近は大活躍してくれています。
「なんとなく着る」ことをやめて、1日5分でいいから鏡の中の自分と服とのすり合わせを続けたら、1年後にはずいぶん違ってくるでしょう。日本人は真面目さゆえ、つい教科書的なものに従うほうがラクだと思いがちですが、手持ちのお洋服と全身鏡さえあれば、自分×服の「こうするともっと素敵」がきっと生まれます。それがバランス感覚への一番の近道ではないでしょうか。
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❤️今日のコーデ
待ちわびた秋のコーディネート🍂🍁
シャツ: CaBAN
タートルネック: JOHNSMEDREY
パンツ: JILSANDER
靴: THEROW
バッグ: Delvaux
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