【今月のゲスト】
化け子 さん(ヘアメイク職人)
西 ゆり子(以下、西):
今日のゲストは、化け子さんこと岸順子さんです。有名女優さんから信頼厚い現役バリバリのヘアメイクアーティストで、同時に大人気のYouTubeチャンネル「ヘアメイク職人 化け子の駆け込み寺」で大人世代にメイクのコツを伝授していらっしゃいます。チャンネル登録数は、なんと42,7万人(2025年9月現在)。じつは私もそのなかの「ファッションを磨く」シリーズに出演して、シーズン2が大団円を迎えたところです。
化け子:
ドラマの現場で役柄をつくるスタイリストの方には大勢お会いしていますが、西さんは説得力が抜群。ファッションの動画でも頼りたいと思いました。
西:
芸能人の方たちに「西さん来ると明るくなる」「ホッとするのよね」と言われることが多くて、私って一体何なんだろう? でもそういう役目もあるんだなって。千巻先輩にも言いたいこと言っていました。
化け子:
武田千巻、私の師匠ですね。師匠も嘘のない人だったけど、西さんも取り繕わずナチュラル。だから女優さんも心を開きたくなると思う。
西:
相手が偉人でも誰でも同じように話せたらいいな、いつもそう思ってる。
化け子:
まあ、私は箔をつけるために西さんをチャンネルにお呼びしましたけどね。ハハハ。
西:
こんな私を受け入れてくれる化け子さんだから、YouTubeもやりやすかった。番組は、着る学校と同じように毎回お題を出して、次回ファッションチェックをする宿題形式でした。
化け子:
今日ここにいるうちの社長のタカコさんやスタッフのベティちゃん(こと、さおりさん)も参戦して。
タカコ:
現場で急に、「カメラの隣のあなたもよ!」って、あれよあれよと(笑)。
西:
化け子さんもタカコさんも、すごく素敵に変わりましたよ。ベティちゃんはもともとの素養があったの。
化け子:
私は色が使えるようになったことが一番の進歩です。ヘアメイクの現場では、極力カメラに映り込まないために服は基本、黒。ガラスなんかの映り込みが多いロケ先でピンクは危険すぎるから見事に黒しか持っていなかった。忘れもしない、最初の西さんのお題が「2色以上色を使う」で、動揺しまくりました。黒を捨てることが怖かったんですね。
西:
でもあの時のピンクのパンツ、可愛かったし、YouTubeの視聴者さんも、黒と白だけよりいろんな色の化け子ちゃんを見たいと思うわよ。
化け子:
ですよね。でも今日の服装も気が付けば白と黒でした(笑)。
西:
でも、前よりご自分が成長したのはどこか知ってる?
化け子:
??
西:
白シャツのインナーをボトムと同じ黒にしてること。前は黒だったりベージュだったり適当だったのよ。インナーとボトムスを同色でつなげることが自然にできるようになった。同色の上下の上に、もう一色を被せると、全体が垢抜けるの。
化け子:
現場でどれだけプロのスタイリングを見ていても、自分が着るとなると別ですね。西:
タカコさんはジャラジャラ女を卒業した。
化け子:
全身ポリエステル女でもあった。
西:
せっかくキレイなネックラインに、持ってる物全部つけちゃうからもったいなくて(笑)、ジュエリーデトックス、つまり引き算が課題でした。
タカコ:
歳をとって自分がくすんできた気がしたのを、アクセサリーで補おうとしてました。
西:
足元も前はスニーカーにシアーなヒョウ柄ソックスとか合わせていたのが、ご覧なさい、今はちゃんと黄色のコットンソックスになってる!
タカコ:
よかった~(笑)。
化け子:
悩んだのがシーズン2のラストの「バランス」ですね。「アニマル」や「ピンク」は具体的だけど、「バランス」ってスケールが大きい。
西:
着る学校の最終レッスンも「バランス」がテーマですが、みんな似たような服なのに、どうしてあの人だけがお洒落に見えるんだろうっていう秘密は、バランスなのよね。
化け子:
西さんとのシリーズで、もうひとつの驚きは、好きなものを新しく発見できたこと。「私、甘くないフリルが好きなんだ!」って。
西:
自分に素直になればなるほど、実はこれが好き、とか、こうなりたい、が発見できるのかも。
化け子:
堅苦しく考えすぎるからダメなんでしょうね。でも私、まだどこかがんばってるし自分に似合うものを探してる。
西:
化け子さんはパーティドレス、それもシルエットと素材勝負の超シンプルなものが着れるようになったら、さらにイイ女になるわよ。
化け子:
来年還暦なので、赤の超シンプルなドレスに、イヤリングだけフリルモチーフとか。
西:
素敵!
化け子:
私はヘアメイクだから、女優さんから一般の方までいろんな方の顔を見てきたけれど、一様に言えるのは、しわやたるみはネガティブなものではないし、みんな可愛いって思うんです。だから、自分を観察して、自分を受けとめられたらもっとメイクが自由に楽しくなると思ってるんです。きれいになりたい願望は、食べたい、眠りたいと同じく、「本能」で生きてるっていうこと。「絶対こうしなきゃきれいじゃない」というのではない気がします。
西:
毎朝、顔を洗った後に鏡を見ると、「白い、きれい」って思うの(笑)。
化け子:
わかります。
西:
そのあとは鏡を見ない。
化け子:
あはははは
西:
でも一つそういう自信はあっていいよね。
化け子:
ええ。全部受け入れて、「自分のことをジャッジしないこと」が大事ですよね。私のフォロワーさんでも、深く悩んでる方は、自分がきれいかどうかのジャッジをやめられないように感じます。それを解放することからですよね。
西:
着る学校でも、自分の好きな服を着て輝くことがゴールだから、講師の先生たちも生徒さんの挑戦にはいつも背中を押すし応援する。だから、不要な思い込みを捨てて、ましてや年齢にも縛られず、あ、私もフリル着ていいんだ、花柄のスカート履いていいんだって気づけるの。
化け子:
50代以上の方は色んな経験してきているから、西さんの言葉がしみるし、化け子のフォロワーの皆さんも、「今のままでいい」と認めてもらった気持ちになるのかもしれません。どんなことでもいい、笑顔になれて、気分の上がるようなことを見つけたいですよね。今日はこの口紅の気分だな、みたいな小さなことでいい。
西:
お洋服も全く同じね。今日はこの気分、という感性を忘れないことは大切ですね。
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