こんにちは、西ゆり子です。ふと気がつけば、今年もあと1カ月。年末までに、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと、何かと気ぜわしい思いをしている方も多いでしょう。とはいえ、12月は1年の中で最も華やかな季節です。街にはイルミネーションが輝き、忘年会やクリスマスパーティなど様々なイベントが目白押し。こんな月には、いつもより華やかな色を着て、自分の心が浮き立つおしゃれを楽しみましょう。「パーティの予定なんてないけれど…」という方でもいいのです。家族と近所のレストランに出かけるときに、いつもより明るい色の服を着たり、キラキラ光るアクセサリーをつけて年末の華やかな空気に溶け込めば、この時期のおしゃれがもっと楽しくなるはずです。
私の場合、12月に入ると赤い小物を身につけます。不思議なことに、それだけでなんだか心が躍ります。パーティや忘年会の予定がある方は、せっかくの機会ですから、はじけた装いにトライするのもいいですね。1年に1度しかない12月。1年の締めくくりとして、日頃はできないおしゃれを思い切り楽しみましょう!
では、今月の質問です。今月は「年齢とおしゃれ」に関する2つの質問にお答えします。
今月のご質問
Q 11月の西先生の答えの中に「大人の女性の体型を考慮したデザインのブランドを選びましょう」とありました。でも、ブランドの服を買えるほど自由に使えるお金はありません。かと言って、年齢とともにお尻周りが大きくなって、試着しても似合わない服ばかり。どうしたらいいのでしょう?(つむぎさん)
最初に申し上げたいのは、私が言う「ブランド」とは決してグッチやマックスマーラのような値段の高いハイブランドだけを指しているのではありません。もちろん、大量生産・大量消費のファストファッションの服と比べると、上質の素材を選び、幾人もの職人さんたちの手がかかっているハイブランドの服には「着る人を助けてくれる」並々ならぬパワーがあることは確かです。ただ、デパートや街のセレクトショップに並んでいる服の中にも、大人の女性をターゲットにしたブランドはいくつもあります。有名なブランドである必要はまったくないので、そうした中から自分の予算と体型に合った服を探すことが大人のおしゃれには不可欠なのだと思います。
そのためには、まずは今の自分を受け入れることが大切です。「お尻周りが大きくなって似合わない服ばかり」とありますが、それは今の自分の体型にマッチしていない服を試着しているからではないですか? 年齢を重ねれば体型が変化するのはあたりまえ。私だって、年々、お腹周りが広がっています(笑)。でも、そんなとき「お尻周りやお腹が大きくなったからおしゃれはできない」とマイナスにとらえるのはつまらない。それよりも、今の自分の体型を活かすおしゃれを考えたほうが前向きです。だって、これからますます年齢を重ねていくわけでしょう。年齢による体型の変化をマイナスととらえていたら、これから先の人生はマイナスがどんどん積み重なっていくだけで、ちっとも楽しくありません。
若い人だって、「太っている」「背が低い」と、自分の体型に関して悩んでいる人は大勢いるはずです。女優さんの中にも自分の体型にコンプレックスを感じている人は少なくありません。年齢を重ねた人だけが、おしゃれに悩んでいるわけではないのです。だから、「トシをとったから、あれがダメ、これがダメ」と言い訳せずに、今の自分はどんな服を着たら素敵に見えるのかと、おしゃれに前向きにチャレンジしていくことが「人生100年時代」を楽しく過ごすコツだと思います。
Q 20代の子たちのコミュニティで、「おばさんが着てはいけない服」として以下の服が挙げられていました。オーバーサイズの服、タイトな服、マキシ丈のワンピース、プリーツスカート、パーカー、ボーダーの服、花柄&アニマル柄、フリルやレース、デニムジャケット、サブリナパンツ等々。もはや着られる服がありません。中高年の女性は何を着ればいいのでしょう?(美乃里さん)
結論から言いますと、美乃里さんが「おばさんにはNG」と挙げた服は、どれも着られます! ポイントは20代の人と同じ着こなしをしないこと。若さはすべてを隠してくれるので、若いというだけでどんな着こなしをしても素敵に見えますが、大人の女性に関しては、ひとりひとりが積み上げてきた中身が重要になるお年頃。今の自分に自信を持って、大人にふさわしい着こなしをすれば、どのアイテムを着てもまったく問題はありません。
また、これだけのアイテムを列挙できる美乃里さんはとってもおしゃれな方だと思います。なのに、20代の女の子に「これは着ちゃダメ」と言われて、あきらめてしまうのはもったいない! 日本の社会はとかく若い女性をもてはやすけど、美乃里さんのような女性が自分の好きな服を堂々と着てくださると、大人の女性がもっと人生を謳歌できるようになるはずだと、私は声を大にして言いたいです。
美乃里さんもひとつ目の質問のつむぎさんもそうですが、なぜ、「年を重ねること」はすべてマイナスととらえるのでしょう。私は、年をとってよかったと思うこともたくさんありますよ。例えば、若い頃の私は超がつくほどのあわてんぼうで、周囲の人から「また、ゆり子が走っている」といつも言われていました。待ち合わせの時間にもダッシュで駆けつけるのが常で、そのせいで遅刻することも多かった。でも、年齢を重ねたらダッシュなんてもはや無理(笑)。ゆっくりペースでしか動けない。そうしたら、女優さんたちにも「西さんって、いつも優雅ですよね~」って言われるようになりました。「優雅」なんて、若い頃の私にはあり得なかった誉め言葉です。そう言っていただけるのは70代になったからこそ。だったら、「優雅」や「エレガント」を、これからの人生の、そしておしゃれのキーワードにしていけばいいんだなって。
若さを失っても、自分の中に蓄積されてきた魅力はたくさんあります。その魅力を活かすおしゃれを工夫して、年齢を重ねることは「成長」だと、前向きに楽しんでいきましょう!
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