#S017 「なりたい自分」になるために


 こんにちは、西ゆり子です。新年も早や1週間が過ぎ、「今週から通常モード」という方も多いでしょう。『着る学校』も、今日から2023年のスタートです。みなさんと一緒に、ますます“おしゃれ道”を極めていきたいと思っています。今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、新しい年の始まりということで、今回は、みなさんにひとつ課題を出そうと思います。年頭に「今年の目標」を掲げるように、おしゃれの面でも、あなたがこれから目指す『なりたい自分』を具体的にイメージしてほしいのです。なぜならば、本当におしゃれな人とは「自分が目指しているゴール」がきちんとわかっている人だから。

 たとえば、あなたが目指しているゴールが「ニューヨークのキャリアウーマン」のようなイメージなのか、「自然に囲まれた暮らしを愛する女性」なのかでは、身に着ける服もまったく違ってくるのは当然の話です。その肝心の『なりたい自分』がわからずに、「このブラウス、可愛い!」「このジャケット、素敵!」と、やみくもにアイテムだけを増やしても、いつまでたっても自分らしいおしゃれは完成しません。マラソンと同じで、目指すゴールがわかっていれば、そこに向かってまっすぐに走っていけばいいけれど、どこがゴールなのかわからなければ、同じ場所をぐるぐる回ったり、森の奥に迷い込んでしまうこともありえます。

 そんな“おしゃれ迷子”にならないために、まずは「こういう女性になりたい」というイメージをきちんと固めておくことが大切なのです。そもそも、服は自己表現の手段です。何を着ているかで、その人の内面までもがよくわかる。ドラマの仕事で、私が女優さんのスタイリングをするときも、その役の性格や職業、生い立ちなどを台本からきちんと読み取った上で、着てもらう服を選びます。同じ主婦の役でも、夫の意見に従順な主婦なのか、数年後に離婚して起業しそうな主婦なのかでは、身に着ける服の色やデザインも自ずと違ってきます。それだけ、着るものには“その人自身”が現れるのです。

 いきなりそんなことを言われても、『なりたい自分』がすぐに思い浮かばない人もいるでしょう。そんな方におススメするのは、『なりたい自分』を“言葉”ではなく、写真や映像などの“イメージ(画像)”で探すことです。言葉で考えると「かわいい」「カッコいい」「仕事ができる」…など抽象的になりがちですが、イメージであればもっと具体的になります。映画のヒロインを写真に撮るのもいいでしょうし、ファッション雑誌の中のお気に入りのコーデを切り抜いて、スケッチブックなどに貼っていくのもいいですね。憧れの女優やタレントがいる方は、その人の着こなしをこまめにSNSでチェックするのもひとつの方法です。
昔はやっていたのに、最近は雑誌の種類も減ってしまい、スタイリング写真を見る機会が減ってしまった方も多いのではいでしょうか。実は憧れのイメージの記録(記憶)ってすごく大切ですし、おしゃれな人は、ピンタレストやインスタ、ウエアなどでもファッションスナップをチェックして、画像を保存している人が多いと思います。たくさん保存すればするほど、集めた画像の中に必ず共通点が見つかり、それがすなわち、あなたが目指している『なりたい自分』のヒントになるんです。

 手段はなんでもいいけれど、大切なのは、自分が理想とするおしゃれのゴールを決めるのはあなた自身だということです。時折、「西さん!あのブラウスとこっちのブラウス、どちらがいいですか?」と聞かれることもありますが、それだけ聞かれても私に“正解”はわかりません。どうなりたいかがわからないのですから…。
だからこそ、まずは自分自身で目指すおしゃれのゴールを決めましょう。それはすなわち、「これから私はどんなふうに生きていきたいのか」ということにつながります。10年後の自分はどんな女性になっていたいのか――そこまで先のことが考えられなければ、今年1年をどんなふうに過ごしていきたいのかでも構いません。あなたが望む生き方と、あなたが着る服はイコールです。自分が目指しているのはどんな服を着ている女性なのか。新しい年の初めに、じっくりと考えてみてください。

着る学校(校長・西ゆり子)

着る学校は、「スタイリング=着る力」を学ぶコミュニティ(登録無料)。『着るを楽しむ!着る力が身につく!』をコンセプトに、様々なレッスンを通じて、おしゃれの知識や情報を知ることができます。現在、6,000人以上の女性が登録。洋服を楽しむのに年齢は関係ありません。人生100年時代、私たちと一緒におしゃれをもっと!もっと!!楽しみましょう。

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