先日、西さんが、胸もとにボタニカルの刺繍が入ったサックスブルーのコットンシャツのインナーにバーガンディのタートルのニットをあわせ、ボトムスには艶感のあるパープルのタイトスカートで颯爽と待ち合わせ場所に現れました。
あまりの可愛さに、
「今日のコーディネートとっても素敵です! 新作ですか?」
と興奮気味に尋ねると、
「これはもう20年以上前に買ったスカートにシャツも10年選手よ。どれも大好きで手放せないの」
と、チャーミングな笑顔で答えられ、思わず胸がときめきました。
西さんとお話していてよく話題にあがるのは、大好きなアイテムは何年経っても色褪せることなく、着るたびに自信とパワーを与えてくれるということ。
サスティナブルがファッション業界の大きなテーマになり、私自身も以前と比べて慎重に服と向き合うことが多くなりました。重要なのは最新か、流行か、ではなく長く愛せるアイテムかどうか。ヴィンテージのお洋服を最新モードに負けない自分らしい着こなしで背筋をシャンと伸ばして歩いているパリジェンヌやマダムを海外スナップで良く見かけますが、皆自信に満ち溢れていて本当に素敵!
ストリートスナップなら「Pinterest」「WEAR」や「Instagram」で
#ヴィンテージコーデ
#ヴィンテージスタイル
で検索すると、年代性別関係なく、思い思いのスタイルで写真をアップしていて眺めているだけでワクワクします。他の人とかぶらない個性を出しやすいので、自分らしさを確立したいならヴィンテージに挑戦するのが近道かもしれません。
私自身も、自分のスタイルが定まるにつれて自然と本当に好きなものは流行と関係なくメンテナンスしながらでも長く使い続けたいと思うようになりました。わざわざ古着を買うというよりは、自然とクローゼットで熟した「セルフヴィンテージ派」です。母が作ったお洋服や譲り受けた「リアルヴィンテージ」を新しい服と組み合わせたミックスコーデでファッションを楽しんでいます。
大切に育ててきた服のなかには10年選手、20年選手のアイテムも。「セルフヴィンテージ」という言葉を最近耳にするようになりましたが、10年使えばそう呼んで良いのだそう。なかでもスター選手は、やはりぶれないスタイルを確立しているデザイナーのもの。
たとえばマルタン・マルジェラ本人デザインのアイテムや、マルジェラ期のエルメス(1997~2003)は、20年ものに限りなく近いけれど、服が好きな友人には「今っぽい」と言われます。考えたらマルジェラのジェンダーフリーの削ぎ落とした美しさにやっと時代が追いついたのかもしれません。アルベール・エルバスがデザインしたランバンのドレスも購入してから10年以上経ちますが今でもスタメンの一軍選手。ここぞ!という日に着ています。素敵なシルエットだね。と褒められると、エルバスはもういないけれど彼の才能は色褪せないんだな、と嬉しくなります。年月をかけて少しずつ集めたコートは一着一着にどれも愛着があり、私のヒストリーそのもの。
めまぐるしく移り変わる流行の波に流されずクローゼットに鎮座し続けた服やバッグはなんだか誇らしげにみえます(笑)。
時間を共に過ごし愛しみながら大切に育てる楽しみを見つけ、若い頃とはまた違うファッションとの向き合いかたができるようになったと感じています。「最新」「流行」のかわりに「好き」や「ときめき」を軸にコーディネートを組み立てていくと日々のお洋服選びの苦しみから解放され、楽めるようになるのではないでしょうか。
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❤️今日のコーデ
手に持ったコート ロロピアーナ(LoroPiana)
ジャケット ジルサンダー(JilSander)
シャツワンピース ジルサンダー
シューズ トッズ(TODS)
バッグ PRADA
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