#S026 質問にお答えします!【おしゃれ迷子篇】


 こんにちは、西ゆり子です。みなさんの質問にお答えするのも、今週で最終回。今回は「おしゃれ迷子」になっている方々からの質問です。私自身もそうでしたが、45歳を過ぎたあたりから、それまで自分に似合っていた服がなぜか似合わなくなってきます。体型や見た目の変化に、自分の内面が追いついていないのかもしれません。だからといって、おしゃれに対して後ろ向きになってしまうのはつまりません。いくつになっても、「着る」ことを前向きに楽しむ方法を一緒に考えていきましょう。


Q 「着る学校」の授業に刺激され、明るい色の服を買ってみましたが、気後れして着られません。目立つとやっぱり恥ずかしい。明るい色を着るときの、気の持ちようを教えてください。

A いきなり真っ赤なワンピースを着るのはハードルが高いので、まずは面積の小さいところからチャレンジしていきましょう。たとえば、イヤリングだけを赤い色のものにしてみたり、襟の部分だけがブルーのシャツを着てみたりとか。足元はそれほど目立ちませんから、ソックスをカラフルにしてみるのもいいですね。さらに、慣れてきたと感じたら、じょじょに面積を広げていきましょう。その際に、明るい色を取り入れるのはボトムスからがおすすめです。ボトムスは自分の視線が届きにくいので、同じオレンジ色の服を着るのでも、オレンジのブラウスに比べて、オレンジのパンツのほうが抵抗がありません。
また、「目立つと恥ずかしい」気持ちもわからないではないですが、最近の若い世代は赤やブルー、グリーンといった明るい色の服をごくあたりまえに着ています。つまり、あなたが明るい色の服を着て街中に出かけても、思っているより目立たないということです。自分が気にしているほど、他人はあなたの装いを気にかけていませんから、明るい色を着たときに湧き上がって来るワクワク感を、ぜひ味わってみてください。


Q 「自分らしいおしゃれをするために、自分の好きなブランドを見つけよう」と教えていただきました。でも、私の好きなブランドはそれぞれテイストが違い過ぎて、ワードローブがまとまりません。どうしたらいいのでしょう?

A 私の場合も、好きなブランドはそれぞれテイストが違います。マックスマーラのような正統派のブランドも好きですが、モスキーノのようなコケティッシュなテイストも好きですし、ロンハーマンのようなちょっぴりサーファー系のブランドも愛用しています。確かに、それぞれのカラーは異なりますが、ひとつのブランドの中にも様々なテイストの服がありますよね。5年後、10年後に“なりたい自分”がはっきりしていれば、その中から“理想の自分”にあった1着を自ずと選ぶことができるはず。ワードローブがまとまらないのは、好きなブランドのテイストが違うからではなく、この先の人生で理想とする自分の姿がはっきりと定まっていないからではないでしょうか。“理想の自分”が定まれば、どんなブランドの服をミックスしても、自分らしいワードローブが揃うはずです。


Q 45歳くらいから、何を着ていいかわからなくなりました。開き直って、これからは自分の好きな服だけを着ていくのがいいのか、やっぱり他人に好印象を与える無難な服を着たほうがいいのか。いったい、どちらがいいのでしょう?

A これは「この先の人生をどう生きていきたいか」とシンクロしている問題だと思います。無難な服は確かに安心・安全です。でも、毎日、無難な服ばかりを着ていると自分の内面もどんどん無難になっていき、人生がつまらなくなってしまいます。その点、「自分の好き」を優先すると、服を選ぶ場合はもちろんのこと、日々の生活にもワクワク、ドキドキが生まれます。そのワクワク感が人を幸せにしてくれると思うので、私は「自分の好きな服を着る」という道を選びました。

 ただ言えるのは、別にどちらかひとつを選ぶ必要はないということです。無難な服をベースにして、時折、1着だけでもいいから自分がとびきり好きな服を買ってみる。で、その服を着た時に「やりすぎた!」と思ったら、無難な服に戻ればいいですし、「意外にイケる!」と感じたら、じょじょに自分の好きな服を増やしていけばいいのです。「AかBか」ではなく、「AもBも」試してみて、自分に合っているほうを選べばいいのではないでしょうか。


Q 40代の主婦です。プチプラの服で流行を取り入れて、毎シーズン買い替えて行くのがいいか、高価でも上質の服を買って長く着て行った方がいいのか。どちらが自分の年齢にふさわしいおしゃれなのか悩んでいます。

A これは誰もが悩んでしまう問題ですが、この場合も「両方」取り入れていけばいいと思います。私も、10年以上着られるベーシックなコートを買う一方で、H&Mで1990円のトレンドのニットを見つけると、「わぁ、カワイイ!」って即買ってしまいます。ある程度の年齢になると、「失敗したくない」「無駄なことはしたくない」と思いがちですが、「失敗する」→「手放す」→「そこにまた新たなものが入ってくる」というサイクルで身の周りのものを循環させていくことは、自分自身を活性化させていくという意味では決して無駄ではありません。プチプラの服でトレンドの風を取り入れて、ベーシックな服で自分の土台を固める――その両輪でバランスを取りながら、いくつになっても、おしゃれを楽しんでいけたらいいですね。


 昨年の6月に「着る学校」をスタートして以来、生徒のみなさんから実に様々な質問をいただきました。ひとつひとつの質問に接する度に、「おしゃれに関して、みんなこんなに困っているのか」とあらためて実感し、だからこそ「着る学校」を立ち上げて本当に良かったと思っています。まだまだ学ぶべきことはたくさんあります。ひとつでも多くの疑問を解決し、もっと自分らしいおしゃれを楽しんでいくために、これからも私と一緒に学んでいきましょう。

着る学校(校長・西ゆり子)

着る学校は、「スタイリング=着る力」を学ぶコミュニティ(登録無料)。『着るを楽しむ!着る力が身につく!』をコンセプトに、様々なレッスンを通じて、おしゃれの知識や情報を知ることができます。現在、6,000人以上の女性が登録。洋服を楽しむのに年齢は関係ありません。人生100年時代、私たちと一緒におしゃれをもっと!もっと!!楽しみましょう。

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