こんにちは、西ゆり子です。11月になると、ドラマの世界では、登場人物に薄手のコートを着てもらうのが暗黙のルールになっています。とはいえ、実際には、コートを着るのはまだ早いと感じる気温の日も多いでしょう。かといって、朝晩の空気が冷え込むこの時期にカーディガンでは心もとない。そんな季節の狭間におすすめなのがジャケットです。ジャケットというと「きちんとした」イメージがありますが、カジュアルな着こなしにも似合います。ラフに着るコツは少し大きめのサイズのものを選ぶこと。前ボタンを開けて、袖をまくり、中に着ているニットやブラウスをのぞかせればこなれ感も生まれます。ブルゾンやマウンテンパーカーより大人世代にはおすすめです。「カーディガン以上、コート未満」の羽織り物が必要なこの時期に、ぜひジャケットにトライしてみましょう。
それでは、今月の質問です。
まずは「秋の服」に関する質問にお答えしましょう。
今月のご質問
Q 春と秋の気候は似ているので、同じ服を着ていることが多いのですが、それでいいのでしょうか? 春は明るい色で、秋は暗い色と、色だけでも変えるべきですか?(HMさん)
結論から申し上げますと、春と秋で同じ服を着るのはNGです。その理由は、たとえ気温が同じ18度でも、春と秋の風景はまったく違うから。空の色も違うし、頬を撫でる風の感触も違います。咲いている花の種類も木々の梢を彩る葉の様子も違うでしょう。一言で言えば、春は夏に向かう季節で、秋は冬に向かう季節です。機能の面だけ考えれば同じ服でも差支えないのでしょうが、おしゃれは季節の移ろいを楽しむもの。「秋には秋の服」を着たいと思える感性こそが最も大切なのです。
具体的なアドバイスとしては「色を変える」のはおすすめです。ただ、「春は明るい色、秋は暗い色」とは限りません。茶色やグレーなどのダークカラーはもちろん、秋にピンクや黄色の服を着てもいいのです。ただ、同じ黄色でも、春に似合う黄色はレモンイエローのような透明感があって軽やかな黄色なのに対し、秋にマッチする黄色は赤味がかった深みのある山吹色。ピンクや水色も同じこと。秋の景色の中にいる自分を「一枚の絵」のようにイメージして、馴染む色調のものを選べば、自分の好きな色を着てOKです。「色の微妙な違いがわからない」という方は、秋の果物の色を思い浮かべてみるといいですね。柿のこっくりしたオレンジ、ブドウのダークパープル、栗のマロンブラウンなどを取り入れると、いっそう秋の装いらしくなるでしょう。
もうひとつ、春と秋では、同じデザインの服でも素材を変えることが大切です。長袖のカーディガンを羽織るにしても、春の場合は風を通す麻や綿のもの。秋の場合は暖かみのある薄手のウールやカシミヤというように。せっかく秋になったのだから、春と同じおしゃれじゃもったいない。日々、移りゆく季節を感じながら、おしゃれを存分に楽しんでくださいね。
Q 40代になり、やっぱり「年齢相応の服」を着なくちゃいけないのだろうかと落ち込むときがあります。そんなときは諦める? それとも年齢を気にせず自分の着たい服を着る? どちらがいいのか教えてください。(しらゆうさん)
決して諦めてはいけません! もしかすると、周りの40代の方は「お行儀のいい無難な服」を着ているのかもしれませんが、服を着ることを諦めてしまったら、生きることを諦めるのと同じです。「年齢相応」って、実につまらない生き方です。40代に限らず、60代でも70代でも、いくつになっても、自分の好きな服を着ることが生きるパワーにつながっていくのです。
ただ、40代以上になると自ずと体型が変わってきますから、大人の女性の身体をきれいに見せてくれるブランドで服を選ぶことが大切です。たとえば、若い女性の間でトレンドのジャンパースカートを着たいと思った場合、若い世代御用達のショップで買うと、どうしても「イタいおばさん」に見えてしまいます。でも、大人の女性の体型を考慮したデザインで作られているブランドのジャンパースカートなら、40代以上の人が着ても違和感がありません。
また、「おばさんっぽく」ならずに、自分の好きな服をおしゃれに着こなすにはそれなりの知識が必要です。同じアイテムでも、着こなし方によって若々しい印象にもなれば、老けて見えることもありますからね。そんな着こなしのコツがわからないという方は、ぜひ「着る学校」のレッスンに参加してください。年齢を気にせず、自分の好きな服を自由自在に着られる様々な知識が学べます。最初から、完璧な着こなしができる人なんていないのです。私だって、いまだに「今日のコーディネートは間違えた」という時がありますよ(笑)。おしゃれもトライ&エラーの積み重ね。失敗を恐れずに、好きな服を着るための一歩を踏み出しましょう!
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