こんにちは、西ゆり子です。朝晩、めっきり涼しくなって、ようやく秋の気配を感じる季節になりました。長々と続いた猛暑から解放されて、ほっとひと息ついている方も多いのではないでしょうか。でも、ことファッションに関して言うならば、10月はのんびり休んでいるヒマはありません。今年の冬に自分がどんな着こなしをしたいのか、どんなおしゃれを楽しみたいのか――いち早く計画を立て、きちんと準備をすることが、みなさんに取り組んでほしい今月の課題です。
冬に向けての準備は色々ありますが、中でも、私が声を大にしてお伝えしたいのは、「今年の冬に着るコートは10月に買うのが鉄則!」ということです。「え? 10月にコートを買うのは早くない?」と思う方もいるでしょう。でも、決して早くはありません。ショップの店頭にはすでに今年のコートが並んでいます。今なら、色もサイズも豊富に揃っていますが、早めにキープしておかないと、素敵なもの、人気のものから、どんどん売り切れていってしまいます。「もう少し寒くなってから」では遅すぎる。「おしゃれな人」を目指すなら、ぜひ10月中に、今年のコートを買いましょう。
その際に、ひとつ注意点。「自分の好きな服を着る」という『着る学校』の基本的な精神を、コートを選ぶときにも貫いてほしいのです。確かに、コートは値が張りますし、冬から春へと数カ月にわたって着ることもあり、色もデザインも、つい無難なものを選びがち。でも、長期間、着るものだからこそ、身に着ける度に、心がワクワク踊るものを選んでほしいのです。とくに、コートは面積が大きいだけに、着ている人のメンタルを左右します。だからこそ、この先の数カ月間、無難だからと自分が好きでもない黒やグレー、ネイビーといったダークな色のコートを着ていたのではちっとも心が躍りません。つまり、今年の冬を楽しめるかどうかはコート次第! ひるまずに、自分の好きな色、好きなデザインのコートを選ぶようにしてください。
もうひとつ、「これぞ!」という1着を探しに行く前に、おおまかに分けて、コートには2種類あることを知っておきましょう。ひとつは「定番のコート」。クラシックのコンサートやホテルのレストランで会食するときなどにふさわしい「きちんと感」のあるオーソドックスなデザインのもの。もうひとつは、今年の冬を楽しむための「デイリーコート」。気軽なショッピング、カジュアルなランチ、週末のお出かけなど、冬の間、毎日のように着るコートです。とくに、こちらのコートに関しては、色もデザインも、自分の「好き」をフルに発揮して選びましょう。毎日着るのに、無難な色やデザインのコートを選ぶなんてつまらない! オレンジでもピンクでもグリーンでも、「今シーズンはこの色を着倒す!」くらいの心意気で! ちなみに、おととしの冬、私はネオンイエローのデイリーコートを買いました。ネオンのようにパッと人目を引くこのコートを着る度に、ウキウキと前向きな気分になれました。
一方、「定番のコート」だからと言って、去年までと同じ色、同じデザインが今の自分にとってベストとは限りません。たとえ何年も着られる上質なものであれ、5年前、10年前に買ったネイビーのチェスターコートが今の自分にマッチしているのかどうか、あらためてチェックしてみましょう。5年前、10年前と比べたら、誰しも必ず変化しているわけですから、もしかしたら今の自分にはノーカラーのアイボリーのコートのほうがしっくりくるかもしれません。長く着られるベーシックなデザインのコートを新たに買う場合のポイントは、「これまでの自分」にとらわれず、この先の5年後、10年後に理想とする「なりたい自分」にふさわしいものを選ぶこと。定番だからと言って、色は必ずしもダークなものである必要はありません。目下、私の「定番のコート」はマックスマーラのチェスターコート。色はロイヤルブルーです。10年以上着られるベーシックなデザインですが、この明るいブルーが「私らしい」と感じています。
さらに、コートにも、シーズン毎に様々なトレンドがあります。ちなみに、今年のトレンドはビッグシルエット。肩が大きく、ダボッとしたコートを羽織り、インナーはすっきりタイトにまとめるのが今年ふうの着こなしです。色は赤。素材はフェイクファーが流行りです。ちょっぴり勇気が要るかもしれませんが、大人の女性が赤いフェイクファーのショートコートをまとうのも、とてもキュートでおすすめです。とくに、この冬を思い切り楽しむための「デイリーコート」を買うならば、今年のトレンドに積極的にチャレンジしましょう。「無難で安心なコートは選ばない!」と肝に銘じて、あなたが本当に好きなコートを見つけてください。
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