こんにちは、西ゆり子です。テーマレッスンに参加してくださった生徒さんたちの変身ぶりのご紹介も今回で最終回になります。
◎Rさん(60代・東京都)
小柄でスタイルのいいRさんは、クラスのまとめ役。毎回、みんなをリードして授業を盛り上げてくれました。「着る学校」の学級委員長のような存在で、Rさんがいてくださったおかげで、いつも楽しく授業を進めることができました。
もともとセンスのいい方で、おしゃれの基本も身についていたので、パンツもスカートも上手に着こなして、コーディネートのバランスも完璧でした。ただ、ひとつ気になったのは「私はヘンな人なので、ちょっとヘンな服が好きなんです…」とおっしゃったこと。確かに、個性的な柄のトップスやゴブラン織りのスカートなどがお好みのように見えました。でも、そうした服が好きなのはちっとも「ヘンなこと」じゃなく、自分の好みがはっきりしているのはむしろとてもいいことです。「ヘンでも、好きなものを着ればいいのよ」とお伝えしたところ、お好きな服を堂々と、楽しみながら着るようになったのが印象的でした。
ただ、個性的な服を着こなすのは、普通の服を着こなすよりハードルが高いのです。クセのある柄やデザインが強調されすぎると「こだわりが強くて、近寄りがたい人」に見えてしまうので、どこか1点だけにポイントを絞りましょうとお話しました。
また、好きな服を長年、大切に愛用されているのは素晴らしいことなのですが、それだけでコーディネートしてしまうと、「昔の人」に見えてしまいがち。そこで、「今の風も入れましょう!」とアドバイスをしたところ、トレンドのジャストウエストのデニムにトップスをインしたり、厚底の白い靴を履いてみたりなど、ご自分で様々な工夫を試されたことで、当初の頃よりも若々しく、あか抜けた印象になりました。もともと、おしゃれの基礎があった上にご自分の気づきや工夫をプラスされたことで、本来持っていた「Rさんらしさ」が最大限に発揮され、今や「鬼に金棒」の着こなしです。
先週&今週ご紹介したお2人は、「バランス」「素材」「色」などの基本はきちんとマスターできているのに、おしゃれに対する心の持ちようや向き合い方が、いまひとつ解放されていなかったという方です。その不要な思い込みをとりはらったことで、みるみるおしゃれ上級者に成長していきました。
今月ご紹介した4人の方に限らず、これまでのテーマレッスンに参加してくださった生徒さんたちはどなたもドラマチックな変化を遂げた方ばかりです。その素晴らしい変身ぶりを、またの機会にご紹介していけたらと思っています。
レッスンにご興味を持たれた方は、ぜひ次回のレッスン参加をご検討ください。今年は、7月以降に順次開催予定です。
<生徒の声・Rさん>
着ることが楽しい毎日は、西ゆり子校長との出会いから始まりました。NHK「あさイチ」のトークに出演されているのを見て、すごくカッコいい人がいる!と驚いたのです。テロップには「71歳、現役スタイリスト」の文字。すぐに検索して先生のこと、この学校のことを知り、入学しました。
私自身おしゃれが好きで、興味がない時期はなかったと思うのですが、どこか無精なところがあって、昔からお金があったら専属スタイリストを付けたいと思っていたほどです(笑)。だから、行きつけのショップでセンスや好みの合う店員さんに勧められると、それを買っての繰り返し。満足していましたが、今思うと、着回しがききそうな便利な服の中から、好きな服を選んでいたように思います。
授業はとても楽しくて、その後のチャットのフォローレッスンでみんなと仲良くなりました。私が年長でしたが、どんどん投稿してリードしてくれる人もいて、とてもいい雰囲気なんです。最初、自撮りして投稿するのは恥ずかしかったのですが、コメントをもらえると嬉しいし、自分の姿を客観的にチェックする習慣がつきました。全体のバランスからトップスをインしたり、ベルトをしたりと、着方も変わりましたね。着る学校を知らない友達にオススメすると、みな面白いねと言ってくれます。
レッスンで一番変わったのは、自分の気持ちでしょうか。コロナ禍でいっとき服を買わなくなり、クローゼットの服を片付けたので、余計なものは入れたくない、好きな服だけにしたいと思うようになったのです。今年の私のテーマは「把握、厳選、整理」。適当に服を買わなくなり、何が足りていないかが分かるようになった今、やっとスタートラインに立てた感じです。
私が好きなのは、どこかヘンで、とんがっているのに品があるもの。今は好きがありすぎて困っていますが(笑)、自由におしゃれを楽しみ、10年後のなりたい自分に向かって服を着ていきたいと思います。
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