#S036 パーティという場を、もっと前向きに楽しもう


 こんにちは、西ゆり子です。ふと気がつけば、今年もあと2カ月を残すところとなりました。コロナ禍で規制されていた様々な催しが自由に行えるようになった今年の冬は、クリスマスパーティや忘年会、新年会など、華やかな場に出席する機会が一気に増えていきそうです。

 とはいえ、私の目から見る限り、日本人はパーティを楽しむのがあまり得意ではないようです。とくに、パーティウエアに関しては、前向きに楽しめていない人が多いような気がします。クリスマスパーティや忘年会のお誘いを受けると、まっさきに「何を着て行こう?」と悩んでしまう人が多いとか。「着て行く服がないから行きたくない」と憂鬱になってしまうという声も耳にします。

 これは本当にもったいない! パーティは、日頃の生活では着られないおしゃれな服を着ることができる絶好のチャンスです。「何を着て行けばいいのだろう?」と後ろ向きになるのではなく、「どんな服装で行こうかしら」とワクワクし、パーティという場を前向きに楽しめる装いに、ぜひチャレンジしてほしいと思います。それは、ホテルの宴会場で行われる大規模なパーティに限らず、家族で楽しむクリスマスディナーや親戚が集まる新年会に出かける場合も同じです。いつもと違う「ハレの場」に参加するときは、それぞれのシーンにふさわしい服を着ることが何より大切。パーティ会場やお店へのリスペクト、そしてその場に集う人たちを意識して自分が着る服を選ぶことを習慣にしていくと、おしゃれの幅が広がるのはもちろんのこと、今まで以上に様々なスタイルのファッションがもっと楽しめるようになるのです。

 では、具体的に、どんな服を着て行けば、パーティという場を存分に楽しむことができるのか。基本的な知識として、欧米で一般常識とされている時間帯別のドレスコードについて、まずは知っておきましょう。

・午前中から行われるパーティ
 →モーニングドレス/長袖、ロングスカート

・日中に行われるパーティ
 →アフタヌーンドレス/シフォン、オーガンジーなどの透ける素材で軽いもの、スカートはくるぶしくらいの丈

・夕方行われるパーティ
 →カクテルドレス/サテン、シルクなどの光る素材。首、肩、背中、腕のどれかを出し、スカート丈は膝下

・夜に行われるパーティ
 →イブニングドレス/サテン、シルクなどの透ける素材。首、肩、背中、腕のどれかを出して、スカート丈はフルレングス。足元はサンダル

 日本で、みなさんが一般的に参加するパーティでは必ずしも厳密にこのルールにのっとる必要はありませんが、知っているのと知らないのではパーティウエアの選び方も違ってきます。ちなみに、パーティに着て行く服を選ぶときの一番のポイントは、仕事や日常的に着ている服とは素材を変えること。コットン、ウール、ニットなどの素材は避け、透け感のあるシフォンやキラキラ光るサテンなど、非日常感を醸し出す素材を選びましょう。夜のパーティなら、アクセサリーもダイヤなどのキラキラ光るものを選び、靴もエナメルなど光沢のあるもの履けば、一段と“ハレ感”が増すというものです。

 日常的に着る服とは素材を変える。その基本的なルールさえ押さえていれば、ワンピースでもスーツでもパンツでも、どんなスタイルでもOKです。ハイブランドの高価なパーティウエアでなくても、ZARAやH&Mといった手ごろなお店で、キラキラ光るポリエステル素材のワンピースを買って、派手なデザインのアクセサリーをつけていけば立派なパーティウエアに早変わり。百貨店のフォーマルドレスコーナーで選ぶより、自分が好きなブランドのショップで「これならパーティに着て行ける」というアイテムを探したほうが、自分らしいパーティウエアが見つかるでしょう。

 50歳のときから、毎年1度、私が行っているチャリティパーティでも、毎回独自のドレスコードを設定して、参加者の方々にお願いしています。ただ、ドレスコードにのっとってさえいれば、どこのブランドのものでも、それこそファストファッションで買ったドレスでもウエルカム!とお伝えしています。このチャリティパーティは、闘病中で抜け毛に苦しむがん患者さんたちに、売り場に行かなくてもおしゃれな帽子を提供したいということで始めたものですが、せっかくなら、パーティに参加してもらうみなさんにもおしゃれを楽しんでもらい、なおかつ社会貢献ができる場にしようと考えて、あえてドレスコードを設けることに決めました。今年も12月に、このパーティを行う予定です。みなさんがどんな装いで来て下さるのかも、毎回、大きな楽しみになっています。

 パーティは、決して高価なドレスを着て、窮屈な思いをして出席する場ではありません。一番の目的は、その場を思い切り楽しむこと。非日常的な素材やデザインの服を着るのも、パーティという空間にふさわしい自分になれるから。そして、そうした場が増えていくことが人生を楽しむことにつながっていくのです。「何を着て行こう?」と間際になって慌てることのないように、「これを着てパーティに行ったら楽しそう!」という服を、今月から探しておきましょう。

着る学校(校長・西ゆり子)

着る学校は、「スタイリング=着る力」を学ぶコミュニティ(登録無料)。『着るを楽しむ!着る力が身につく!』をコンセプトに、様々なレッスンを通じて、おしゃれの知識や情報を知ることができます。現在、6,000人以上の女性が登録。洋服を楽しむのに年齢は関係ありません。人生100年時代、私たちと一緒におしゃれをもっと!もっと!!楽しみましょう。

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